今まで引っ越したことや転校したことは一度もなくて、教室中から奇異や好奇、興味深々な目で見られる(制服も違うから余計に)という体験は初めてだった。転校生って初日は疲れるものなのかなーって思ってたけど持ち前のバカみたいな明るさとこっちこそいろんな国を見てやる。視姦する勢いで見てやる!という好奇心でなんとか頑張った。人と話したりするのも基本的に好きなので凄く楽しい。名前と顔はおいおい覚えて行こうと思ってたけど個性派ぞろいですぐ覚えることができた。まぁ覚えるのは得意なんだけど。


さん、食堂へいきましょう」


 午前の授業が無事に終わり、イギリスの言いつけ通り日本くんと食堂へ行く事になった。


――――――――――


「あっ!日本ー!こっちだよー!」


 食堂につくとアホ毛の生えた男が手を振りながら日本くんを呼んだ。日本くんも軽く手をあげて返すと私に「あれはイタリアくんです」と教えてくれた。
 広い食堂で、世界各国の料理があり、みんなそれぞれ食べているものが違った。これから参考にしよー、と思っていろんな料理を見るべくキョロキョロしながら(日本くんも視界にいれながら)歩いていたら、イタリアとかいう人のいる場所へついた。そこにはイギリスもいて…っていうか見る限り大所帯に見えるのは気のせい?20人くらいはいるんじゃないかって場所には様々な人種…というか国が集まっているわけだから…世界ってこんなに仲良しだったのか!すごく…平和です…。
 大所帯の中のイギリスが手招きしてきたので、日本からお弁当を(イギリス料理は無理だと思いまして、と言って事前につくってくれたらしい。お弁当作る暇なんかなかったからありがたく)貰ってイギリスの傍へ行く。「隣に座れ」と言ってきたのでおとなしく座った。
 私が座るのと交代してイギリスが立つ。するとイギリスは口を開いた。


「欧州クラスの奴等に紹介する。こいつが俺の家に飛んできただ。今日からこの学園に通うことになった」


 何かと思ったら私の紹介だった。というか…


「飛んできた言うな!あ、どうも…。と言います。よろしくお願いします」


 飛んでったバナナみたいに軽く言うからそこにすかさず突っ込む。ついでに自己紹介すると拍手が起こった。自己紹介がついでってのもあれだけど…。座ったまんましちゃったし。
 それでも「よろしくー」「困った事があったら言ってね」とか返ってきてよかった。しかもここにいるのは私、日本くん、さきほど亞州クラスで会った中国(パンダァアア!)以外は全員欧州クラスで名前がわからないので自己紹介してくれた。
 平和なんだなって思ったけど、そんなことはないそうだ。日本・ドイツ・イタリアは漫研繋がりってのが明確らしいけど、あとは近所だったり、漫研三国のどれかと仲良かったりで集まってきたらしい。
 イギリスが先生に呼ばれてるということで席を立ったあと(朝みたいに「放課後は教室で待ってろ」という言いつけを残して)、この集まりで唯一の女の子、ハンガリーが話しかけてくれた。


「学校はどう?楽しい?」
「初日だからまだなんとも言えないけど…でもみんな良い人ばかりで楽しいよ!」
「それならよかった!あっ、そうだ。ってイギリスと同棲してるんだよね?」
「うんそうだけど」
「気を付けてね。あれの本性もどっかの変態と一緒だから…」
「え?どっかの変態ってもしかしてフラ「呼んだかー!」


 呼んでねぇーー!!つーか言い切ってねぇー!
 そういえばさきほどまでいなかったフランスがあわられた。そして「アフリカクラスのところまで呼びに言ってたんだ」と言って後ろにいた色黒の女の子を紹介した。セーシェルというらしい。どこだろ?と考えて、思わず私は言ってしまった。


「ごめん、聞いた事ないや」
「だと思った。大丈夫。慣れてるから…」
「…」
「…」

 
 沈・黙☆
 聞いたことないと言った自分を滅したい。普通は口に出して言わないだろうそこは!と思っても後の祭り。とりあえず何か話さなくては!


「えっと…これから仲良くしてたくさん知っていくことにするから!よろしく!」
「よろしく!」


 よし、これから頑張ろう!本気で。セーシェルもハンガリーも可愛いし、これからどんどん話しかけていってもっと仲良くなろう。
 そういえば、食堂にちらほら見えるアフリカっぽい人達の首輪。なんか意味があるのかな?


「セーシェル」
「なに?」
「アフリカっぽい人達が何人かつけてる首輪って意味あるの?」
「!あぁ、これね…。実はこの前…」


――間――


「なんですとぉおお?!」
「ご飯粒飛ばさないで…」


 あのクソ眉毛…。私の制服を隠したり学校へ強制連行したり(それは許すけど)まずい料理つくる意外にもこんなことしてやがったのかあんのボケ!帰りに鉄拳制裁してくれるわッ!その前に首輪の外し方も吐かせてやるわい!
 セーシェルに「マジごめん。あの眉毛にはきつくお灸をすえとくから」と謝ったあと、解散にちょうどいい時間になったのでみんな教室に戻ることになった。
 ハンガリーとセーシェルっていう可愛い女の子達と仲良くなれて今日は上出来かなと思う。両手に華ってのはまさにあんな感じだろうなー。可愛い女の子は大好きだ!って、私ったらどこぞのフランスみたいじゃないか…。

 でも今日は数人としか話せなかったので明日からはもっと色んな人と話したいなー。と思いながら私はお弁当を片付け、日本くんと中国と一緒に教室へ戻る。戻ってる途中で中国が質問をしてきた。


「日本やオーストリアには『さん』や『くん』をつけるのに、なんで我や他は呼び捨てあるか?」
「そうですね。別に呼び捨てでもいいですよ」


 日本くんも疑問に思っていたのか、のってきた。まぁ特に意味はないッ!けど、あえて言うなら


「人畜無害そうだから?」
「(なんで疑問系?)」
「それは日本とオーストリア以外が有害ということあるか!?」
「パンダは無害だよ」
「そうじゃねーある!」
「まぁまぁ。別に嫌いなわけじゃないから気にしないでよ。ね、日本くん」
「え!?えぇ、まぁ、はぁ…」
「適当に答えるなある!日本もも最低ある!」


 とまぁこんな感じ。中国は未だ納得いってないみたいだけど、またこういうことがあったら体で教えるつもりだ。あ、でも中国って少林寺とかあるのかー。いや、こっちはどんな手を使ってでも…ってどんだけやる気なんだ私は!呼び方でそこまで拘らなくてもいいよな!

 3人(主に私と中国)でギャーギャー騒ぎながら教室へ入ると先生が来て授業が始まっていた。
 初日から授業に遅刻とか…オワタ\(^o^)/








(数人としか話してなくてサーセン。でも本当は各国いろいろいるつもりなんです。精一杯頑張ろうとしたけど、クズの私には無理でしたw^^ってか話し方わからry←華麗にスルーの方向で)