ホラーゲーム「零」シリーズと、その主題歌。 幽○無白書(笑) この二つの影響を受けすぎて怨霊退治屋設定のヒロインと北欧組です。 今更ですが、ウチではスーさんをベールヴァルドからとって、ベルさんと呼んでいます。 これからも多分そう呼びます← 以上のことをふまえて、「それが何?早く読ませろや!」というお優しい方いらっしゃいましたら、 どうぞ下へスクロールなさってくださいませ…。 『喰ラエェェエエ!!』 『っ!?っ!』 びちゃっ…。 倒れる二つの影(一つは人、一つは異形)。後ろに飛ばされた私。飛んでくる黒い欠片…。 『うぁああっ!あ…あぁっ。右、目…が…。っ!?ベル、さん…?う、うそ…でしょ…?いやだよ…いや!いや!いやぁ!…っ』 右目が、疼く…。 ―――――――――― 「いやぁぁああああ!!」 ガバッ!と悪夢を振り払うように私は起きた。はぁ、はぁ…と荒い息をしながら、疼く右目を押さえる。1ヶ月ぶりだ…。毎月、月命日になるとあの夢を見る。私が右目を失い、私の大切な人が…私のせいで死んでしまった夜のこと。それを、もう12回も見た。あの人が死んでからもう一年も経ってしまったんだ…。 私は、強い霊感を買われてある人に雇ってもらっていた。その人もあり得ないものがたくさん見えるのだと言う。あり得ないもの…いわゆる幽霊とかの類。幽霊には良い奴もいれば、悪い奴もいる。私達は、もちろん悪い奴を『眠らせる』ために働いている。たまに、自分が死んだことに気付いてない人を導いてあげたりとかもあるけど…。 あの人は、普段は眼鏡で自分の能力を抑えていたけど…幽霊退治のために眼鏡を外したときの力と言ったら凄まじかった…。弱小の幽霊だったら一睨みするだけで眠ってしまうのもいた…。 眼力の凄い人で、私も第一印象は「怖い」の一言だった。でも、本当は凄く優しくて、強くて、頭の中ではみんなを楽しませようって色々考えてる人だった。接していくうちに、私はどんどんあの人を敬愛していった。 そんなあの人が、一年前に亡くなった。あれは私のミス。一瞬の気の緩みが招いてしまった…。きっと、私がいなければあの人は助かってたと思う。私が…いなければ…。 「おはようティノ…」 「おはよう。…また、あの夢を見たんですか?」 「うん…」 「もう、一年経ってしまったんですね…」 「あっという間だったね」 リビングに移動して、私と一緒にあの人の助手をしていたティノに挨拶、花たまごを一撫で、そしてコーヒーを啜りながらパソコンの電源を入れる。 パソコンのすぐ横へ目を向ければ、一年前の私、ティノ、花たまご、そしてあの人がいる写真。あの人が写っている部分を軽く触ると、少しだけ勇気を貰った気分になれた。…それとともに、悔恨の情にかられる。 起動したパソコンをいじり、同業者や依頼人からのメールをチェックする。今日は一件の依頼が来ていた。 「ベルさんの知り合い…。これは子供かな。渡したいものがあります…?」 「そうみたいですね。夕方5時に待ち合わせのようです。とりあえず行ってみますか?」 「今日はあんまり気乗りしないんだけどなぁ…。まぁ、行ってくるよ」 「はい。気をつけてください」 「そんな辛気くさい顔しないでよ…。ティノを残して、死なない、からさ…」 私がそういうと、ティノは私がここにいることを確認するかのように後ろから抱きしめてきた。 辛気くさい顔してるのは、私も同じだった。 約束の時間。待ち合わせ場所に行くと、10歳くらいの少年が広場のオブジェのところに立っていた。 「・です。君が今回の依頼人?」 「はいです!ピーターですよ」 「ピーター君、渡したいものって、何かな?」 「実は…一年前にベルさんがこれを僕の家に置いていったのですよ。やっと見つけたましたです。さん…」 少年はポケットから袋を取り出し私に渡してきた。受け取って袋を開けてみると、中にはイヤリングが入っていた。 「これは…?」 「僕は一年ほど前にそのイヤリングを探してほしいとベルさんに頼まれましたです。きっと、あなたの誕生日にあげようとしてたんだと思うですよ!」 「ベル、さん…」 「ベルさんは僕の家に月に一回は、来てたです。でも、それから来なくて…。ベルさんには自分が来なくなったら…死んだものだと思え、って…言われてたです…」 「そっか…」 「大切にしてくださいです。ベルさん、あなたの話をする度に笑ってたです…」 「うん、ありがとう」 「それでは、僕は帰るです!」 「だ、大丈夫?一人で帰れる?」 「大丈夫です!お父さんとお母さん、近くにいるですよ」 「そっか。じゃあ、気をつけてね」 「はいです!」 「さよならでーす!」と元気に手を振りながらピーター君は駅に向かっていった。お父さんとお母さんがいるのなら安心だ…。手の平の上で光るイヤリング見つめ、早速耳に付けてみた。リン…と少しだけ鳴った気がした。 小さな任務も終わったことだし帰るか…と踵を返した瞬間だった。後ろから、ドォーン!という爆発音が聞こえ、振り返ると… 駅が燃えていた。 「なっ!?え…駅がっ!うそ…さっき、ピーター君が入っていったのに…」 急いで駅の方へ行ってみれば、その周りには逃げ惑う人、助けを求める人、野次馬、携帯のカメラを向ける人…たくさんの人々がいた。写真なんか撮ってないで、誰か消防車を呼んでくれただろうか…。そんなことを考えながら駅の周辺を歩き回る。いない… 「ピーター君っ!どこ?!どこにいるの?!」 名前を叫んでも返事がない。ということは…。 「まさか、まだ駅の中に…」 取り残されている可能性が高い。あんなに燃え盛る炎。もう、生きてないかもしれない…。でも、生きてるかもしれない。『ベルさん、笑ってたですよ』…そういうピーター君も笑っていた。私は、ピーター君とは今日知り合ったばかり。でもあの人とは以前から知り合いで…。あの人なら取り残された人をそのままにしないだろう。知り合いなら尚更。そうだ、そういう人だから…(私のせいで…) 「…行こう。やれるだけのことは、やるんだ」 自分を叱咤して、私は炎の中へと入っていった。 駅舎の中に入ると、外で見るよりも炎の広がりがすごかった。自分の霊力を全て防御に回し、ピーター君を探し回る。…1分くらい経ったころだろうか。先ほど付けたイヤリングから微かに「助けて…」と聞こえ、私はその声が大きくなる方へと突き進んだ。驚いた。その声はピーター君のものだったから。…ベルさんはこういう時のためにこのイヤリングを私にくれたのだろうか。そう思うとあの人の温かさを思い出して泣きそうになった。でも、今は泣いている場合じゃない。探さなきゃ…。 そして 一番声が大きくなるところに着いた。 「ピーター君!」 私はピーター君にかけより、すぐに息を確認した。煙の吸いすぎで肺に支障をきたし呼吸が消えかけていた。これ以上煙を吸わないようにと急いでピーター君の周りに結界を張り、ピーター君の後ろを見ると、子供を護るように男性と女性が倒れていた。きっとピーター君の両親だろう。近寄ってみたが、呼吸と鼓動はもう無い。助けられなかった…。悔しくて歯を食いしばったが、とにかく今はピーター君だけでも助けようと立ち上がったときだった。 「見ツケタ…」 ぞわっ…と、全身に鳥肌がたった。この声は…。恐い。だけど振り返らなければならない。ピーター君を庇いながら後ろを見れば、そこには… 「お、お前…はっ!」 「一年振リダナ…」 「なんで…なんでお前がここに…っ!お前は、あの時、ベルさんが…自分と一緒に眠らせたはずなのに…っ!」 「ベルサン?アァ、アノ強イ霊力ヲ持ッタ人間カ?アレハ男ダッタガ、美味カッタゾ!」 「うま、かった…?じゃぁ、あの時…は」 「ヒャヒャヒャ!俺ハアノ時死ンダフリヲシタケドヨォ、アイツガ、ブッ倒レル間際にアイツノ魂ヲ食ッテヤッタノヨ!…今度ハ、オ前トソノガキヲ喰ッテヤルヨ!女子供ハ美味イカラナァ!」 「お前…。っ…お前ぇえええええええ!!!」 恐怖で足が震え、すくむ。悲しみと怒りで涙が、溢れる。 眠ったはずなのに生きている霊…。ベルさんを殺した霊…。 私の後ろにはピーター君。あの時のベルさんもこんな感じだったのかな…。私は、ピーター君のこと、足手まといだなんて思わない。ただ、護りたい…そう思う。あの人も、そう思っててくれたかな…。 容赦なく襲いかかる霊。死角である右側からも攻撃してくる…。私の力は、もうすぐ尽きてしまうかもしれない。諦めたくないのに…先が見える。これほどの絶望。 だけど、だけど…と左手に、残る霊力を全てかき集めた。これで眠らなかったら、そこまで…。必死に敵の隙を見つけ、左手を突き出した。 「はぁああああああああ!」 「グゥッ!オ前、ナカナカヤルナ!シカシコンナモノハ、アノ男ノ足元ニモ及バンゾ!」 「くぅ、あぁっ…!ああああ!」 左手が千切れそうなくらい熱い。もう、だめだ…。 そう思ったとき、左手にそっと添えられた人の温もりを感じた。 『なじょした?、おめぇはこげん弱くないべ?』 「オ、オ前ハ…ッ!」 この声は…この声は! 「ベルさん?!」 嬉しさと驚きのあまり、後ろを振り向こうとした。が、ベルさんの右手に顎を抑えられそれは叶わなかった。 『今は前さ見ろ!』 「はいっ!」 「貴様ラ…貴様ラァァアアア!!」 『タイミングさ合わせで、全部叩きこむべ…』 「わかり…ましたっ!」 「熱イ…熱ィ゛イ゛イ゛!!」 『こいつで…』 「終わりだぁああああああっ!!」 目を開けてられないほどの光が、全てを包んだ。 数秒の後、光が消える。あたりを十分に見回すが、異形の姿は見えなかった。 「はぁ、はぁ…終わっ、た…」 『ん。よぐやった。上出来…』 「ベルさん!」 『動くでねぇ!俺の顔さ、見たら、だめだ…』 「な、なんで…」 ベルさんは確かに死んでしまった。でも、会えたのは、私に霊感があるからだと思う。死んだ祖母と話すこともある。それと同じ感覚でベルさんの顔を見ようとしたのに、ベルさんはそれを許してくれなかった。顔を見せてくれないかわりに、ベルさんはいつになく饒舌だった。 『だめだ…。すまねぇない。そういう、決まりさ…』 「決まり…?」 『破れば、まで、死んじまう…』 「わ、私は…私はベルさんと一緒にっ」 『っ!おめぇには、まだやることがあるべ!』 「やる、こと…?」 『家さ居る奴、ここさ居る奴…。二人ば護れるのは、おめぇだけだ…』 「私、だけ…」 『ん…。だから…』 そこで、ベルさんは一旦口を閉じ、これ以上無いと言うほど、私をキツく抱き締めた。体が、震えているのがわかる…。ベルさんは左手で私の目を覆うと、右手で私の顎を持ち上げ、唇を重ね…そして… 『おめぇは、生きろ…』 背中から温度が無くなっていく…。抱きしめるベルさんの腕を解こうと必死にもがくけど、敵わない。ベルさんの顔を見たいのに…。叶わない。何もかも、かなわない。 「ベルさん?いやだ!待って!私、まだ、ベルさんに教えてもらってないこといっぱいあります!私、一人じゃ何も出来ません…っ。今回もそうだった!あなたがいなければ…私なんか、何も、誰も…護れないっ…」 『は一人じゃねぇ。その事さ忘れるでねぇよ…。もう泣くでねぇ。おめぇは笑ってる顔さ、いっちばんめんこいんだがらよ…』 ベルさんの温度が消えていく。声が聞こえない…。私の体から、ベルさんの全てが無くなっていく…。 カラン、と軽い音がして、振り返れば床にメガネが落ちていた。震える手を伸ばし、それをとるけれど、あの人の温もりを感じることはできない。 「ベル、さん…っ!ひっ、くっ…うぅっ…っ…うわぁあああ――――…ん!!」 私はその場に崩れ落ち、疲労でそのまま意識を失ったらしい。次に目を覚ましたのは病院だった。 「目が覚めましたかっ?!」 「ティノ…。ピーター君は?」 「丸二日寝てたから心配しましたよ。あの子は飲み物を買いに行ってます」 「生きてる…よかった。私は二日も寝てたんだ。…えっ?!」 「?」 違和感を覚える。長らく失っていた感覚が、甦って…。 「右目が…見える…?!」 「はい。お医者さんも驚いてましたよ。どこで移植したんだ…って。とりあえずお茶を濁しておきましたけど、それは…」 「ベルさん…」 「やっぱり!かないませんよね。本当に凄いですよあの人は…」 「うん…」 「飲み物買ってきたですよー!」 「こらこら…病院内は、静かにっ!」 「ごめんなさいですよ…。さん?!おはようなのですよ!」 「うん…おはよう!」 ベルさん…。 私、護ります。 あなたの大事なもの。私の大切なもの。 あなたの全てが想いでになる (1ヶ月後。私はあの悪夢を見ることも、右目が疼くことも無かった) ―――――――――― かっこいいベルさんを書きたかったんだけど、見事に撃沈☆ 墜落してるぜー!⊂ニニ(^ω^)ニニつブ↓ー↓ー↓ン…!!↓ この4人組、とても聲に似ている…!そこは意識して書かなかったんですけど れい→ヒロイン、ゆう→ベルさん、みく→ティノ、けい→ピーター(まさかのww) に、似てしまった…涙目orz あたしの駄文は置いといて、興味のある方は笑顔動画で「零〜刺青の聲〜」のプレイ動画やストーリーwikiなど見てください。そしてつっこ姉さんの曲も聞いてください^^ |