昨日はギルベルトとアントーニョが遊びにきて、非番だったフランシスも交えて、4人で飲み会みたいなものをした。日付が変わる頃、酔い潰れたギルベルトとアントーニョを 「えっ…?ちょ、おま…っ!お前ら誰やねん!」 驚愕してアントーニョの口調が移ってしまったってそんなことはどうでもいい! 「ちょっとフランシス起きてよ!なんなのあれは!」 「んー?行けないぞぉ、近親相か」 「死ねバカ!さっさと起きて!」 「いひゃいいひゃい!(俺は死ぬの?起きるの?)頬は引っ張らないで!起きるから、ね!って、うおっ!なんだこの可愛い子達は!ブラボー!おおブラボー!」 「ねぇ、この場所で寝てたのってさ…」 「えっ?あぁ、そういえ…ばぁッ!?」 そう。ここで寝てたのは、昨日お酒を飲んで酔い潰れたギルベルトとアントーニョだった、はずなんだ。なんでこんなことになったの?フランシスに「何か盛ったの?」と聞けば何もしてないと言った。首を絞めても何もしてないと言ったので本当に何もしてないんだと思う。では、なぜ?疑問が解決しないまま、寝てる二人が身じろぎした。 「ん…っ。なんやぁ…?」 「うるせぇ、なぁ…」 「ちょっと、フランシスがうるさいから起きちゃったでしょ!」 「も十分うるさ…ヴゾヴゾ。一個じがないんで鼻ばやめでぐれるがな…」 仲良く起きた二人の所作と、布団を退け覗かせた顔は、二人にそっくり、いや、同じだった。 「だれだおまえらっ!なんでおれ、こんなとこに…」 「ここはだれ?おれはどこや?」 「あのクチの悪さ、間違いなくギルベルトだわ」 「あのボケっぷり、間違いなくアントーニョだ」 「おまえらっ、なのりやがれ!」 「キミねぇ、名前を聞くときはまず自分からでしょ…」 確かに見た目はものすごくかわいい。しかし中身は今のギルベルトをそのまま小さくした感じで…。殴りたくなったのを必死で我慢して、諭せば「うっ…」と、ちびべるとは唸った。名前がわからない…ってことは、記憶も無くなってしまったんだろう。そんなことは構い無く、今度は後ろからちびとーにょが私の服を引っ張る。こちらの行儀はいいようで。 「おれはアントーニョや!ねえちゃんとにいちゃんは?」 「私は。でいいよ」 「お兄さんはフランシス」 「 「うん、変態やな!」 「ちょwwwお兄さん涙目w」 「それで、キミは?」 「ギ、ギルベルト…」 「よろしい」 二人を確認するかのように名前を聞きだし、ここまでのことを覚えているか聞いてみたけど、何も覚えていないようだった。家で寝てて、気付いたらここにいたらしい。最初は警戒心丸出しだったり、不安そうな顔をしていた二人だったけど、私達が無害と感じたのか、好奇心には勝てなかったのか、徐々に私達と打ち解けていった。とりあえず、時間も時間だったのでお昼ご飯を食べさせてあげた。…フランシスが非番でよかった。私ひとりじゃ、きっと何も出来なかったと思うから。と、珍しくフランシスに感謝してみた。ありがとうなんて言ってやらないけどね! 「ちゃん、だっこしてや〜!」 「うん?いいよ、おいで」 「あとな、これ読んでくれはる?」 小さいアントーニョは純粋無垢でかなりかわいい。ロヴィーノの小さい頃の写真を見るたびにハァハァしてたアントーニョだけど、今度は私がハァハァしてしまいそうなくらいかわいい。かわいい。大事なことだから二回言いました。とてとて、とこっちに寄ってきて膝の上にちょこんと座る。やばい。これはやばい。あんた、もう一生このままでいいよ…。アントーニョが持って来た絵本を広げ、音読してあげる。にぱーと天使のように笑うもんだから私もつられて笑顔になる。ああ、抱きしめたい…。読み終わって絵本を閉じれば「おおきに〜」と言ってアントーニョから抱きしめるもんだから、私も抱きしめかえしてあげた。ああ…これが「萌え」ってやつですね、わかります。 「あっ、アントーニョ!誰の許しを得て他人の妹抱いてるのかな?お兄さん許さないよ?」 「うわぁ!ちゃん!変態がいぢめる!」 「あっ、あーあー」 「はなしてやー!」 「俺様の妹に手を出した罰だ!くらえ千年殺し!」 「ぎゃーーーーー!!」 「最低…」 アントーニョの温もりが冷めていくのを感じながら、先ほどまでフランシスと遊んでいた(というよりもフランシスが振り回され、空回りしているだけのようだったけど)、ギルベルトに目を向ければ、羨ましそうにこちらを見ていた。おいで、と言ってもギルベルトは「ひとりで楽しいからいいんだよ!」と言って多分来てくれないだろう。まぁ、それで放っておいても火に油を注ぐというか、逆効果に思えたから、近付いて声をかける。 「ギル、一緒に遊ばないの?」 「おれは、いい」 「なんで?」 「おれは、ひとり…なれてるから…。かあさんもとうさんも、いつも、いえにいないし…」 「うん、キミの意見は聞いてないんだけどね。…っていうかさ、嘘なんか吐く必要無いでしょ。独りに慣れてる人なんて…いないと思うし」 「…?」 「まだ拒否するってんなら、バックドロップするけど?」 「いみがよくわかんねぇけど、それはいやだ…」 バックドロップの意味は通じなかったけど、危機感は感じたらしい。まぁ、拒否してたら本気でやってたけどね。そうすればバックドロップの意味も通じるし、一石二鳥だったよね! 「じゃぁ、何か二人以上で出来るものを提案しなさい」 「おれは…。お、おれにも、ほん、読んで…」 「はいはい。キミもさっきみたいに座る?」 「えっ?!お、おれはあいつみたいにべたべたしねぇよ!」 「あっはっは!キャメルクラッ」 「すわりたいですおねがいします…」 あー…楽しい!ギルベルトいじめって何歳のギルベルトにやっても楽しいのね。ちびべるとなら力の差もこっちが上だから逆に襲われることも無いし、何やっても許されるなんてまるで天国だわ! 虐待じゃなくて愛だ!と自分に言い聞かせ、ソファに座った自分の上にギルベルトを座らせ本を読んであげる。さっきのアントーニョみたいにちょこんと座るのだけど、肩を強張らせていて。それがまた可愛くていじりたくなってしまう。そんな衝動を必死で押さえ、絵本を読み終えると「ダンケ…」と小さく呟いたので、どういたしましてと返して上げる。最後にぎゅっと抱きしめ、「うわぁあ!?!?」と叫ぶギルベルトの耳元に「みんな一緒だよ…」と囁いて立ち上がった。 「おやつにしよっか」 「だいさんせいや!もうこの変態、いややわぁ…」 「ひどい、お兄さん泣いちゃう…」 「ごめんねアントーニョ。おやつで許してくれる?」 「もちろんやで〜」 「ギルベルト!ちょっと手伝って」 「なんでおれ…はい、ぜひやらせてください」 おやつを食べ、遊びの疲れもきたのか、ちび達は眠ってしまった。まぁ、疲れさせたのは主にフランシスだと思うけどね。(性的な意味じゃないぞ☆)そういう意味だったら犯罪だ…。100回捕まれ。 朝(というか昼)にいた位置と同じところに寝かせてやり、ブランケントをかけてあげる。 「っていうかさ、いつ戻るのかな…これ」 「さぁ?お兄さんはこのままでもいいけどね!」 「ダメでしょ…」 「時間が解決してくれるでしょーよ」 「あんたって人は!…確かに見当もつかないけどさ。それにしても、子育てってのは、楽しいけど疲れるね」 「こいつらは性格が性格だからな。本当の親はこれが毎日だ。まぁ、それがいいんだろうけどな。それにそういう覚悟が無きゃ、子供なんて作っちゃダメだろ」 「あんたはどっかに隠し子みたいのがいそうだけどね」 「失礼だな!お兄さんはちゃんと避妊しますぅ」 「はいはい…。あんたが言うと、シモ関係が全て汚く聞こえるから口閉じてくれる?」 「から話しだしたのに…」 フランシスは「しょぼーん」と背後に書いてありそうな顔をしたけど、殺しても死なない男だと思うのでそこはスルーした。…何事もなかったかのように、(稀に見る真面目な)優しい顔をして、二人を見るフランシス。それを見て、昔を思い出した。 「私も、大変だった?」 「ん?いきなりどうしたんだ?明日は雪かな?」 「真面目に答えないと…」 「…大変だったか?まぁ、ある意味大変だったな。でもこいつらよりは相当しっかりしてたと思うぞ」 「そっか。昔の方がかわいかった?」 「今でも十分かわいいぞ!お兄さんって呼んでくれたらもっとかわいいんだけどね☆」 「あはは…考えとくよ」 昔の方が純粋だったし、今よりもずっと可愛かったと思う。自分でも言うのもなんだけどね。まぁ今の自分を褒めるよりはマシでしょ? 「…」 「何よ?」 「寝てもいいぞ」 「…確かに疲れたし、寝ようかな。夜ご飯の買出しよろしくね」 「仰せとあらば…」 ギルベルトとアントーニョの間。一人分くらいの間が開いてたので、もぞもぞとそこに入って眠ることにした。両隣を見れば天使のような寝顔。まるで両手に花のような気分。私にもいつか本当の自分の子供が出来て、こんなのが毎日来るんだろうか…。っていうか、それ以前にこいつらはちゃんと元に戻るのだろうか…。考えようとしたけど、瞳を閉じればすぐに思考回路は停止した。 「世話も焼けるし、どうしたらいいかわからないときもある。でもな、妹ってのは、何歳になっても可愛いものなんだよ、…」 カガミに写る、昔と今と 「ん、ふぁ〜あ…」 「あぁ?16時ぃ?!俺達どんだけ寝てんだよ…」 「お、おにいちゃんたち…だれ?」 「はっ?!え…?なんだこのガキは?!」 「なぁっ!むっちゃかわえええええ!!ハァハァハァハァ!!」 「ふぁっ…」 「ま、待て!泣くなっ!!アントーニョもどうしかしろぉおああ!!」 「ただいま〜。お?お前ら戻って、って…えぇっ?!」 ――――――――――――――― あっはっは。何が書きたいのかよくわからないまま終了☆(うざいねこれ^^ ちびとーにょとちびべるとを抱きしめたらMOE死ねるだろうなってだけです、はい。 |